サインあり
ダミアン・ハーストの代表作、覚醒剤の錠剤をイメージしたスポット・ペインティングシリーズ
ダミアン・ハーストの「スポット・ペインティング」シリーズは、ホルマリン漬けの作品や、インスタレーション作品など幾つかある彼の代表作の中でも特に人気のシリーズである。ダミアン・ハーストはゴールドスミス・カレッジ在学中の1986年、最初の「スポット・ペインティング」シリーズの制作を開始した。このドットは、覚醒剤の錠剤をイメージしたものとされていて、各ドットは全て違う色でペイントされている。
このシリーズの作品には、日の丸のように中央の丸が一つだけ描かれているもの、アルファベットや数字が記載されているもの、ドットの大きさがバラバラなもの、円形のキャンバスに描かれているものなど様々なタイプの作品があるが、《M-Fluorobenzylamine》は、スポット・ペインティングシリーズの中で最も有名とされる、四角い白地のキャンバスに等間隔で同じ大きさのドットが描かれている作品だ。
Damien Hirst
ダミアンハースト
ビジネスとしてアート活動を行う世界で最も稼ぐ存命の現代アーティスト
ダミアン・ハースト(Damien Hirst)は1965年生まれのイギリス・ブリストル出身の現代美術家、実業家、アートコレクター。ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBAs)と呼ばれる1990年代のイギリスで活躍した若手のコンテンポラリー・アーティストの中でも代表的な存在である。86年、ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ美術学部に入学。88年には廃ビルで学友たちと展覧会「Freeze」を自主開催し、イギリス美術界の新たなムーブメントとして注目を浴びる。
本物のサメや羊をホルマリン(ホルムアルデヒドの水溶液)漬けにして保存したり、蝶やハエの死骸を使うなど生と死を感じさせるセンセーショナルな作品でよく知られており、1995年には、このシリーズの作品でターナー賞を受賞している。2008年にはサザビーズがロンドンで開催したオークションにて、223点の作品を出品したところ、落札総額が1億1100万ポンド(約211億円)に達し、1人の芸術家の作品落札総額として当時の最高記録を樹立した。ハーストはビジネスとしてアート活動を行う芸術家としても知られており、このオークションで、ギャラリーやディーラーなどを通さず直接オークションに出品するという美術界では前例のない行動をとり話題となった。
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